カードローン

カードローンを滞納していたら代位弁済の通知書が届いた!この後どうなる!?

カードローンを滞納していたら代位弁済の通知書が届いた!この後どうなる!?
銀行から代位弁済の通知書が届きました。カードローンの滞納続いていたので保険が適用されて保険会社が代わりに支払ってくれたようです。これって借金がなくなったってことでしょうか?

いやいや、違いますよ!!

代位弁済は銀行の貸し倒れリスクを防ぐための保険であって、あなたが得する保険ではありません。代位弁済されても借金は消えず、保証会社から一括請求されます。

代位弁済とは?

借主(あなた)が返済ができなくなった場合に、保証会社が借主に代わって貸主(金融機関)に返済を行う手続きのこと。つまり、貸主(金融機関)の利益を守るための保険です。
※借主(あなた)の借金は消えず、返済先が保証会社に変わるだけです。

代位弁済が行われてもあなたの借金が無くなる訳ではありません。代位弁済後はブラックリストに登録され、さらに保証会社から一括請求されるのでご注意ください。

つまり、“代位弁済されるとやばい”ってことです。

本ページでは「カードローンが代位弁済される理由」「代位弁済されるとどうなるのか」について解説します。

カードローンの返済が代位弁済される理由

カードローンは個人向け融資商品扱いなので保証人なし・無担保で借入することができます。融資前に審査があるとはいえ、貸主は貸し倒れのリスクが負うことになりますね。

代位弁済は貸主側が負う貸し倒れリスクを保障するための保険です。ただし、代位弁済が行われるのは銀行カードローンのみです。
※アコムなどの消費者金融カードローンは滞納しても代位弁済されません。

銀行カードローンには保証会社の保険が付いているため、消費者金融系カードローンよりも少しだけ金利が低く設定されています。つまり、銀行側は借主(あなた)が返済できなくなっても代位弁済が行われるため、損することはありません。

つまり、銀行は“貸し倒れのリスクがゼロ”ということ。

一方で、保証会社の保険が付いていない消費者金融系カードローンは、貸し倒れのリスクがあるため、高い金利(~18%)が設定されています。

つまり、「代位弁済は借主(あなた)を守るための保険ではない」ということは覚えておきましょう。

代位弁済は銀行の利益を守る保険

銀行カードローンは個人向けの融資商品です。安定収入がある人であれば誰でも保証人なし・無担保で利用できます。

申込時に審査があるとはいえ、カードローンを利用する人はそもそもお金に困っている人がほとんど。何かしらの理由によって返済できなくなる可能性があります。

銀行は借主(あなた)が債務不履行になった場合に備えて保証会社の保険を付けています。万が一の場合は、保証会社が代位弁済を行ってくれるため、銀行の利益は守られるという仕組みです。

ただし、保証会社は無報酬でリスクを請け負っているわけではありません。

保証会社は保証金として銀行からカードローン金利の5%程度の報酬を受け取り、代位弁済後は借主(あなた)に対して遅延損害金を含んだローン残高の一括請求を行う求償権を引き継ぐことになります。

求償権を引き継ぐ保証会社に一括請求される

求償権とは?

代理弁済によってローン残高を肩代わりした保証会社が銀行に代わって借主(あなた)に返済をしてもらう権利のこと。

なお、代位弁済後は求償権を引き継いだ保証会社から一括請求されます。

毎月の支払いさえできないないのに、一括返済する余裕なんてありません。保証会社からの一括請求も滞納し続けたらどうなりますか?

代位弁済後に要求される一括請求も滞納し続けた場合、裁判で訴えられて財産差押えが強制執行されることになるでしょう。

もし一括返済が難しい場合は、保証会社に分割払いの交渉をしてみてください。基本的に、交渉すれば分割払いに応じてもらえるはずです。

ただし、分割払いに応じてもらえたとしても、ローン残高に対して金利20%の遅延損害金が発生することは覚えておきましょう。

カードローンの返済が代位弁済されるとどうなる?

代位弁済が行われることで、借主(あなた)にどのような影響があるのでしょうか。一括請求される以外の具体的なリスクは3つあります。

  • ブラックリストに登録される
  • 保証会社から一括請求される
  • 裁判になり財産差押えが強制執行される

1つずつ見てみましょう。

ブラックリストに登録される

ブラックリストの登録/管理は、信用情報機関が行っています。

日本には以下の3つの信用情報機関が私たちの信用情報(金融機関との契約状況や利用状況)を管理しています。

  • 株式会社シー・アイ・シー(CIC)
  • 株式会社信用情報機関(JICC)
  • 全国銀行信用情報センター(KSC)

つまり、代位弁済された情報も信用情報機関に記録されます。

代位弁済されるとブラックリストに登録され、完済後5年間は残り続けます。もし代位弁済後の一括請求を分割払いにした場合は、ブラックリストに登録される期間が「5年+完済までの期間」になります。

例えば、2022年1月に代位弁済が行われ、その後の保証会社への返済が分割払い2年間続いた場合、ブラックリストの登録情報が解除されるのは2029年1月になります。

この7年間はクレジットカードを持つことができず、その他のローンを利用することができなくなります。

ブラックリストに登録されるとどうなる?

  • クレジットカードが持てない/作れない
  • 住宅ローンや自動車ローンが利用できない
  • カードローンが利用できない
  • スマホ機種代の分割払いができない
  • 保証会社の審査がある賃貸物件の契約ができない
  • 子供の奨学金の保証人になれない

などなど。

代位弁済が行われた時点でブラックリストに登録されてしまうため、上記の様なリスクを負ってしまうことは覚えておきましょう。

保証会社から一括請求される

前述した通り、代位弁済が行われると保証会社から一括請求されます。

一括請求されても保証会社に交渉(相談)すれば分割払いに変更してもらえるでしょう。ただし、その場合は金利20%の遅延損害金が発生します。

なお、1ヵ月の遅延損害金は以下の計算式で算出されます。

遅延損害金の計算式

遅延損害金
=ローン残高×0.2÷365日×31日

たとえば、ローン残高が50万円ある場合の遅延損害金は8,493円です。
計算)50万円×0.2×365日×31日=8,493円

つまり、ローン残高がある限り、遅延損害金が発生し続けるため、支払い期間が長くなるほど返済総額も高額になります。

裁判になり財産差押えが強制執行される

保証会社からの一括請求に応じない場合、裁判に発展します。一般的に、銀行カードローンの返済を滞納し始めて6ヵ月以降に裁判になると言われています。
※いつ裁判になるかは保証会社によって異なります。

裁判になれば財産差押えが強制執行され、銀行口座や不動産、車などが差押えの対象になるでしょう。

財産差押えになるとどうなる?

  • 銀行口座・郵貯口座・証券口座が差し押さえられる
  • 不動産や車、20万円以上の財産が差し押さえられる
  • 勤務先からの給料・賞与が差し押さえられる

※上記でも請求額が回収できない場合は、将来的に振り込まれる給与・賞与が差し押さえの対象になります。

裁判になっても差し押さえられる財産や貯金なんてありません。この場合、私の借金はどうなのでしょうか?
将来的に振り込まれる勤務先からの給料・賞与も差押えの対象になるため、財産がなくても借金がなくなることはないですよ。「この先ずーっと生活保護で生きていくんだ」という人は別として、働く人は必ず借金を返済しなければいけません。

つまり、財産がないからと言って借金がなくなるわけではないってこと。借金は“全額完済”、もしくは“自己破産”しなければ無くなることはない、ということは忘れないでください。

カードローンの借金が代位弁済された後にやるべきこと

銀行もしくは保証会社から代位弁済の通知が届いても「借金が無くなった!」と勘違いしてはいけません。ますますやばい状況に進んでいます。

今すぐに以下の対策をしましょう。

  • 保証会社の支払請求に従う
  • バイトや副業して稼ぐ
  • 弁護士に相談する

1つずつ解説します。

保証会社の支払請求に従う

保証会社から一括請求の督促状が届いたら記載されている期限内にすぐ支払いましょう。

すぐに一括返済することで、ブラックリストの登録期間を最低5年間におさえ、遅延損害金の発生を防ぐことができるため、返済負担を最小限に抑えることができるでしょう。

どうしても一括返済が難しい場合は、保証会社に電話して分割払いできないか交渉(相談)してみてください。ただし、分割払いに変更できても返済期間が長期化しない返済スケジュールを組みましょう。

また、とりあえず分割払いにしておいて、余裕ができたタイミングで繰り上げ返済もしくは一括返済できるように頑張ってください。

バイトや副業して稼ぐ

借金は少し無理して頑張らなければ完済は難しいと思います。

「すでに頑張っているけど、返済が追い付かない…」という人がほとんどだと思いますが、もう少しだけ、借金返済のためにやれることを探してみませんか?

例えば、スキマ時間を使って即日払いの短期バイトをしたり、家にある不用品をメルカリで売ることもできるはず。借金で苦しい今の状況は、“稼ぐ力”を身に付けるチャンスかもしれません。

ますば、今すぐできることから探してみましょう。

弁護士に相談する

代位弁済が行われたカードローンだけでなく、クレジットカードのリボ払いやその他の借金も同時に抱えている、さらに返済できなくなっている場合は、弁護士や司法書士に相談してみてください。

弁護士さんに相談してみることで、あなたの借金が現実的に返済可能な額なのか、もしくは債務整理すべき借金額になっているのかを検討してもらえます。
でも、弁護士の知り合いなんていないし、自分から相談しに行く勇気がありません。

このような人は、まずは大手弁護士事務所が無料で提供している借金減額診断を利用してみることをおすすめします。

借金減額診断は現在の借金状況と返済状況に関する簡単な質問に答えるだけで、任意整理によってあなたの借金がどれだけ減額できそうかを担当の弁護士が診断してくれるサービスです。

まとめ:代位弁済されても借金は消えない

銀行カードローンの滞納が2ヶ月以上続くと、保証会社があなたの借金を肩代わりする代位弁済が行われます。ただし、あなたの借金がなくなるわけではありません。

代位弁済が行われると、保証会社からローン残高の一括請求が要求されます。

一括返済ができない場合は保証会社に交渉することで分割払いに変更してもらうことができます。ただし、金利20%の遅延損害金が発生するため、返済期間が長期化するほど返済額は高額になるためご注意ください。

なお、代位弁済後も滞納を続ければ裁判になり財産が差し押さえられるでしょう。

そのため、とりあえず分割払いに変更してもらい、余裕ができた時に繰り上げ返済、もしくは一括返済しましょう。

返済期間を短くすることでブラックリストに登録される期間を短縮し、最終的な返済負担を軽くすることができます。

ただし、代位弁済が行われたカードローン以外にも借金がある場合、例えば借金総額が100万円以上になっている人は「債務整理を考えた方が良いケースもある」ということを覚えておいてくださいね。